2012.10.20〜23

 
熊野古道−中辺路 40km踏破

いつか、熊野古道を歩きたいと思ってました。
ただ、何処をどんな風に攻めればイイのか、分からないまま、数年が経ちました。今回、兎に角行ってみようと、にわかに計画を立て、チャレンジして来ました。
中辺路(なかへち)は、熊野古道のほんの一部ですが、熊野古道のほとんどの道が国道になり、面影が無くなって行く中、取り残されたが故に古の面影を色濃く残す、代表的な古道です。
その中でも、滝尻から本宮大社までの約40kmが主要なルートです。

まずは、全体像から。
ブルーがバイクでの走行軌跡です。右が往路で169号線→309号、左が復路で、168号線→24号線です。
赤が熊野古道を歩いた軌跡です。

そして、詳細。下図で赤の軌跡の左端が滝尻王子、右端が熊野本宮大社です。その真ん中よりちょっと左寄りの町が近露王子で、泊まったところです。


下表は、行程です。前後1日ずつは、移動日です。
熊野速玉大社と熊野那智大社は、熊野三山詣に欠かせませんので、初日にお参りしました。
那智大社は、もう、何十年も前に一度お参りしてますが、速玉大社は今回始めてです。
熊野古道を歩くのは、2日間。宿の都合で、1日目が15km、2日目が25kmの歩きとなりました。
私、日頃から歩いている方なので、15kmや25kmなんて軽いと侮っていましたが、とんでも無かったです。
熊野古道は、登り下りが激しく、多分2日間で、2000m程の山登りになっているのではないかと・・。
きつい行程でした。
行程
20() 7:20自宅出発 169309熊野市 新宮市 熊野速玉大社 熊野那智大社 川湯温泉 川湯まつや
21() 6:30川湯温泉→ 311(バイク)滝尻王子 <熊野古道散策> → 近露王子 女神の湯
22() 6:20近露王子 <熊野古道散策> → 熊野本宮大社 (バス) → 滝尻王子 → (バイク) → 湯川温泉 川湯まつや
23() 10:00川湯温泉 道の駅 奥熊野本宮 帰宅(14:30)
下のグラフは、縦軸が高度、横軸が歩いた距離です。
歩き始めた滝尻王子は100m程、最高700m程の山越えを2度してますし、全体に登ったり下ったりの連続です。
結構、大変そうでしょ・・。きついですよ。


上の写真は、小広峠の上り口での1枚です。
朝の斜光線が古道を照らします。
いつもの私の出発風景です。
今回は、歩くのがメインなので、リュックを後部座席に括り付け、荷物は、全体に少な目です。

まず、熊野速玉大社。
新宮の街の中です。

熊野那智大社です。
那智の大滝の前にバイクを置いて、登り始めます。
160m程の登らされました。

川湯温泉で、この日は泊まりです。
このホテル、良かったです。
温泉だし、安かったです。

早朝に、川湯から、バイクで滝尻王子に移動します。
1時間弱も走るんですよ。33km。
これから、この距離を全部歩くのかと思うと、ぞーっとしながら走ってました。

で、滝尻王子から熊野古道に入ると、ずーっとこんな看板が案内してくれます。
これがある内は、道を間違ってないんだ・・。

要所要所に道案内盤があります。
距離も書いてあるし、なかなか親切ですよ。


これも、道標。
滝尻王子から、500m毎にこの数字が増えて行きます。
つまり、ここは、滝尻王子から5.5km歩いたってことです。

熊野本宮大社は、75番なので、あと
(75−11)×500m=32km
歩かなきゃならないってことです。

全体の位置が分かるって、勇気付けられます。
これは、イイですね。

これ、大門王子。
青い説明板と、スタンプが置いてある箱と、お社。

ここは、お社がありますが、殆どの王子は、石碑のみです。

つまり、ほとんどの王子が、説明板+石碑、または説明板+スタンプ箱+石碑です。


下は、古道の様子を色々と写しました。
殆どがこんな感じです。
ちょっと、民家のある村の道もありますが、大体こんな感じです。
つまり、山登りです。



石畳のところどころにありますが、全体の5%以下でしょ。

これは、継桜王子。

大きな王子です。

桜の木は無かった様です。

滝尻王子から15km歩いたところが、近露の町です。
そこにある、女神の湯と、バンガロー。

この日は、ここで泊まりでした。

他にお客さんが居ないってことで、イイ部屋に泊めて頂きました。
ここの温泉は、つるつるとして、イイ感じのお湯でした。

2日の行程で、一部迂回路がありました。
集中豪雨で、熊野古道が通行止めになっているためです。
で、迂回路がご覧の様に網でふさがれています。
ちょっと戸惑いましたが、これは、鹿避けの網で、ちゃんと開け閉めすれば大丈夫です。


本宮大社に近付いて来ると、村の方々の歓迎を受けます。
熊野古道を歩いて来て、疲れてますし、こういう歓迎は、嬉しいです。

ここ、NHKの連続テレビ小説「ほんまもん」のロケで何度も使われた場所なんですって。
そう言えば、「ほんまもん」・・・あったなー。
もう、10年以上も前の話です。

主人公が、名前は忘れましたが、私、好きだったんです。

昔の道標。

右 かうや  (高野)
左 きみい寺 (紀三井寺)

なるほど・・・。

ん? 紀三井寺?ちょっと違うかも。

やっと熊野本宮大社に到着です。

ここまで、37.5km。

良く歩きました。

ちゃんと、鳥居をくぐって、お賽銭を投げ入れてお参りをし、お守りを買いました。

正しいお参りをして、熊野三山詣でを果たしました。


熊野本宮大社は、昔、前を流れる新宮川の中州に在ったのが、明治22年の大洪水で流され、今の場所の移されたそうです。

昔、在った場所には、大鳥居が立てられ、整地されてます。

後々、元の場所に戻したりするのかな?


この日は、17:16のバスで滝尻王子に戻り、バイクを拾って川湯温泉に戻って来ました。
で、翌日に雨の中を大阪に戻って来ました。


永年、課題であった、熊野古道を歩けて、大満足です。
色々と、一度、歩いて分かったことを整理すると、
 ・歩くには、道標等、大変良く整備されていて、余程ボヤーっとしていない限り、迷うことは無いでしょ。
 ・ただ、何々王子と言っても、殆どは、石碑だけで、比較するべきではないでしょうが、四国八十八箇所に比べると、歩くことの楽しみが無いです。
 ・40kmと言う距離以上にきつい行程です。殆ど登山ですからね。甘く見ない方がイイですよ。私ももう一度行きたいかと言うと、もう結構です。しんどいです。
 ・古道の一部で民家の中を歩くのですが、そこで出会った人は、皆さん気軽に声をかけて下さり、大変気持ち良く過ごせました。大変いいとこです。心が豊かなんですね。特に、本宮大社近辺で小学生に親しく挨拶をされ、色々と話をしてくれたことには、感激しました。熊野のみなさん、ありがとうございました。
 ・とは言え、無事、満足して歩き通せたのは、晴天に恵まれたことと、マメが出来なかった幸運に恵まれたからでしょう。日頃の行いかな。エヘン!
 ・熊野古道には、コンビニはもちろん、殆どお店らしいお店は、無いです。食堂等も無いです。食料の調達には十分気を付けて下さい。

と、言うことで、良い思いでがひとつ増えました。
ありがとうございました。

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